あの地震のさなか、私はひとり自宅にいました。
世に蔓延るファンタジーなど嘲笑うかのをような惨劇と、私と飼い犬とでテレビ画面をほうけた顔で見つめる居間との間には、途方もなく分厚くて、ぶよぶよとした輪郭の捉えきれない線でもって隔たれていたように思えます。
私にとって今回の公演の第一義は、その「線」という「距離感」を、演劇という手段が持つ「想像力」でもって埋めていくことです。この一年間で沢山の人びとが感じて、祈り、想った今、直接的な支援の次に私たちに出来ることは、そこに取り組むことなのではないでしょうか。あくまでこの時期にこの土地で公演を行うということに対して自覚的に。そして、自分自身への批評性を失わずに。 少し真面目になり過ぎました。でも、それが必要なんだと思います。

初めまして、ミームの心臓というところで芝居作りをしている有吉宣人です。
今回、荒川チョモランマにお邪魔させて頂きます。
個人としては、「日本の問題」と題する公演への参加は三度目になります。
宜しくお願い致します。


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